インスリンが必要である理由を正しく理解して、毎日の生活に合わせて調整する治療へ。
インスリンは、もともと私たちの体の中で作られている大切なホルモンです。不足してしまった分を、外から補うためのサポートです。
「本当にインスリンが必要なのかな…」と迷ったり不安に思ったりしている段階でも、どうぞお気軽にご相談ください。
安心してご相談いただくために
「もっと食事を頑張っていればよかった」
「薬をきちんと飲んでいたのに」「かなり悪くなってしまった」
インスリンを勧められると、そう感じる方もいらっしゃいます。けれど、インスリンが必要になることは、これまでの治療に失敗したという意味ではありません。
インスリンを勧められて、不安な方
「本当に必要なのか」「他に試せる方法はないのか」そんなお気持ちもぜひ教えてください。現在の血糖値やこれまでの経過を一緒に振り返り、なぜ今治療の候補になっているのかを丁寧にご説明します。
注射を自分でできるか不安な方
最初から上手にできなくても大丈夫です。器具の扱い方、注射する場所、保管方法など、必要なことを一つずつ順番に確認します。
低血糖が怖い方
「起きたらどうするか」だけではなく、「どうすれば低血糖を起こさずに過ごせるか」という予防の工夫まで、一緒に考えます。
現在使用中で、血糖値が安定しない方
量だけが原因とは限りません。食事のタイミングや活動量、注射を打つ場所、隠れた低血糖などを見直し、必要に応じてCGMなども活用していきます。
もともと、私たちの体のなかにあるホルモンです。
インスリンは、そのブドウ糖を体の細胞へ取り込むのを助け、血糖値を一定の範囲に保つ働きをしています。糖尿病では、インスリンが十分に作れない、または効きにくいことによって、血糖値が高くなります。
そこで、現在の状態に応じて、体の外からインスリンを補います。インスリン治療は、体にまったく新しい働きを加えるのではなく、本来体のなかで行われている働きを外から補う治療です。「何単位打つか」だけでなく、食事や生活に対してどう合わせていくかが大切になります。
インスリンを使用する理由は、お一人おひとり異なります。1型糖尿病と2型糖尿病では、その考え方も変わってきます。
1型糖尿病の場合
体で作れなくなった
インスリンを補うことが治療の基本
1型糖尿病では、インスリンを作るすい臓のβ細胞が壊され、体のなかでインスリンを十分に作れなくなります。これは糖尿病が「重い」からではなく、足りなくなったものを補うための治療です。
インスリンを補う治療が基本になるため、「やめること」を目標にはしません。
2型糖尿病の場合
現在の血糖値や
インスリンを作る力によって使用することがある
2型糖尿病では、すべての方がインスリンを使用するわけではありません。血糖値がかなり高い、インスリンを作る力が低下している、感染症や手術などで一時的に血糖管理を整える必要がある、といった場合に使用することがあります。
始めたあとも、治療内容は定期的に見直します。検査結果や体の状態を確認しながら、そのときに適した治療内容を検討します。判断は医師が行いますので、自己判断で中止・減量はなさらないでください。
「インスリンをやめること」を、治療のゴールにはしません。現在の体に合った治療を選ぶことを大切にします。
最初から上手にできる必要はありません。
現在のインスリン治療では、ペン型の注入器を使用することが多く、必要な量を設定して皮下に注射します。実際に治療を始める際には、次のことを一つずつ確認します。
器具の使い方
注射する場所
保管方法
使用済みの針の扱い
打ち忘れた場合の考え方
「家に帰って、自分でできる」状態を目指して、一つずつ確認します。
同じ場所ばかりに、注射していませんか。
毎回同じ場所へ注射を続けると、皮膚の下に硬い部分や盛り上がった部分ができ、インスリンの吸収や効き方が安定しにくくなる場合があります。
「量を増やしているのに血糖値が安定しない」という場合も、量だけではなく、注射している場所や打ち方を確認することで、原因が見つかることがあります。
「低血糖が怖い」というお気持ちも、大切なご相談内容です。
インスリン治療中には、血糖値が下がりすぎることがあります。
低血糖のサインは、体のいろいろなところに現れます。
下の番号と、図の位置が対応しています
大切なのは、低血糖をただ怖がることではなく、起きたときの対処と、起こりにくくする方法を知っておくことです。
低血糖を繰り返している方。夜間の低血糖が気になる方。不安から予定した量を使いにくくなっている方。運転や運動が不安な方。一度、血糖値のパターンと現在のインスリン治療を確認してみましょう。
「あれもこれもダメ」と制限するのではなく、どうすれば安全に行えるかを考えます。
「決められたものしか食べられない」わけではありません。現在の食事内容や生活リズムを確認しながら考えます。1型糖尿病では、糖質量を参考にインスリン量を調整するカーボカウントという考え方もあります。
勤務時間や食事時間を確認し、現在の生活に合わせた注射のタイミングを考えます。
運動前後は血糖値が変化することがあります。血糖確認や、食事・インスリンの調整についてご説明します。
低血糖は運転に影響することがあります。運転前の血糖確認や、低血糖への備えを確認します。
食事時間や活動量、生活時間が変わることがあります。持ち物や保管、低血糖への備えを事前に確認します。
「今の量で合っているか」を確認することもできます。
インスリン治療は、これから始める方だけのものではありません。「最近HbA1cが上がってきた」「低血糖が増えた」「食後だけ血糖値が高い」「夜中に血糖値が下がる」「注射回数が負担」「体重が増えてきた」など、見直したい理由はさまざまです。
現在のインスリンの種類・量・時間だけではなく、血糖値の変化、食事、注射部位、生活の状況などを確認しながら見直します。他院で治療中の方もご相談いただけます。
現在使用しているインスリンがわかるもの、お薬手帳、検査結果、血糖記録やCGMデータなどをお持ちください。他院で治療中の方は、紹介状(診療情報提供書)もあわせてご持参ください。
Webまたはお電話からご予約ください。インスリンを勧められて迷っている段階でもご相談いただけます。
マイナ保険証または資格確認書をご用意ください。お薬手帳、使用中のインスリンがわかるもの、検査結果、血糖記録・CGMデータ、紹介状をお持ちの場合はご持参ください。
血糖値・HbA1cは院内で測定し、その日の診察で結果をご説明します。必要に応じて、インスリンを作る力などを確認する検査を行う場合があります。
現在の数値、これまでの治療、低血糖の有無、食事や生活状況などを確認します。
インスリンが必要な理由、使用する場合の方法、利点や注意点をご説明します。ご本人の疑問や希望も確認しながら方針を考えます。
開始する場合は、器具の使い方、保管方法、低血糖やシックデイへの対応など、必要事項を確認します。
「次はいつ来院するのか」「次回は何を確認するのか」を整理してからお帰りいただきます。
日本糖尿病学会専門医2名が在籍しています
院長
森山 純江
日本内科学会 認定内科医
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 専門医・指導医
日本リウマチ学会 専門医
日本医師会認定産業医
医師
吉川 玲欧
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 専門医
日本動脈硬化学会 専門医
日本リウマチ学会 専門医・指導医