前橋市江木町の脂質異常症診療
食事だけでよいのか。
薬が必要なのか。
まず、その判断からご相談ください。
検査用紙の一つの数字だけで、決まるものではありません。
これまでの変化、血圧、血糖値、喫煙、ご家族の病歴などを
あわせて確認し、必要な対応を整理します。
一つでも当てはまる場合は、検査用紙の「H」だけを見て、ご自身だけで結論を出し続けなくて大丈夫です。まずは、次のことから確認します。
何が、どの程度高いのか。
ほかのリスクが重なっていないか。
数字を下げることだけではなく、
今のご自身に必要な対応を整理します。
脂質異常症の受診は、単に「コレステロールが高いですね」と言われるためのものではありません。ご自身に必要な対応を、次の3つに分けて整理します。
今の数値が、どの段階なのか
LDL、HDL、中性脂肪などの内訳と、過去からの変化を確認します。
将来の血管リスクが、どの程度なのか
血圧、血糖、喫煙、腎機能、ご家族の病歴、心臓や脳の病気なども含めて考えます。
今後のご提案
生活を見直して経過を見るのか、薬を検討するのか、次の検査をいつ行うのかをご説明します。
受診の目的は、薬を始めることではありません。
「このままでよいのか」を、分からないままにしないことです。
脂質異常症は、通常、自覚症状がほとんどありません。数値が高くても、痛みや息苦しさが出るとは限らないため、日常生活では変化に気づきにくい病気です。
一方で、LDLコレステロールなどが高い状態が長く続くと、血管の内側に脂質が蓄積し、動脈硬化が進むことがあります。動脈硬化は、将来的な心筋梗塞や狭心症、脳梗塞などと関係します。また、高血圧、糖尿病、喫煙などのリスクが重なると、より総合的な評価が必要になります。
ただし、健診で数値を指摘されたからといって、今すぐ重大な病気が起きているという意味ではありません。だからこそ、症状がない今のうちに、ご自身に必要な対策を確認しておくことが大切です。
今すぐ怖がるためではなく、
今のうちに将来のリスクを減らすために確認します。
脂質異常症とは、血液中の脂質の値が基準から外れている状態です。主に、次の数値を確認します。
LDLコレステロール
一般に「悪玉コレステロール」と呼ばれます
140mg/dL以上
血液中に多い状態が続くと、動脈硬化に関係します。
120〜139mg/dLは境界域とされ、ほかのリスクがある場合には、より詳しい評価が必要になることがあります。
中性脂肪
トリグリセライド
150mg/dL以上
空腹時175mg/dL以上
随時食事、飲酒、体重、運動量、血糖の状態などの影響を受けやすい数値です。
HDLコレステロール
一般に「善玉コレステロール」と呼ばれます
40mg/dL未満
低い場合は、中性脂肪や喫煙、運動量、体重なども合わせて確認します。
日本動脈硬化学会では、LDLコレステロール140mg/dL以上、HDLコレステロール40mg/dL未満、空腹時中性脂肪150mg/dL以上、随時中性脂肪175mg/dL以上などを脂質異常症の診断基準としています。
検査用紙の「H」だけで、
治療の必要性は決まりません。
コレステロールや中性脂肪は、食事だけで決まるものではありません。普段の食事や飲酒、運動量、体重、喫煙などが影響する一方で、体質、年齢、閉経、糖尿病、甲状腺・肝臓・腎臓の病気、現在使用している薬などが関係することもあります。
脂質の数値には、2つの側面が重なっています
生活に関係すること
普段の食事
飲酒
運動量
体重や内臓脂肪
喫煙
体質や体の状態に関係すること
遺伝的な体質
年齢や閉経
糖尿病
甲状腺・肝臓・腎臓の病気
現在使用している薬
「油ものを食べたから」「自分がだらしなかったから」と、診察を受ける前から原因を一つに決める必要はありません。
当院が確認したいのは、生活を責めるための情報ではなく、どこを見直せば、無理なく改善につながるかを考えるための情報です。
コレステロール値には食事だけでなく、ホルモンや体内でのコレステロール合成・吸収など、さまざまな要因が関係します。
検査用紙の「H」は、あなたを責める印ではありません。
今の体を知るためのサインです。
例えば、同じLDLコレステロールの数値であっても、心筋梗塞や狭心症などを経験したことがある、糖尿病や高血圧がある、喫煙している、腎機能が低下している、ご家族に比較的若い年齢で心臓病を発症した方がいる——などの背景によって、将来のリスクや目標とする数値は異なります。
反対に、ほかのリスクが少なく、数値の上昇も軽度であれば、生活を見直しながら経過を確認できる場合もあります。
一つの数字ではなく、
これらを合わせて治療方針を考えます
食事だけの問題と決めず、体質も確認します
若い頃からLDLコレステロールが高い方や、ご家族にもコレステロールが高い方がいる場合は、家族性高コレステロール血症(FH)などの体質が隠れていることがあります。次のような方は、一度ご相談ください。
未治療のLDLコレステロールが180mg/dL以上だった
若い頃から繰り返しLDLコレステロールを指摘されている
親・兄弟・姉妹などにもコレステロールが高い方がいる
ご家族に比較的若い年齢で心筋梗塞や狭心症を経験した方がいる
アキレス腱が厚いと言われたことがある
腱や皮膚に黄色いしこりを指摘されたことがある
当てはまるからといって、家族性高コレステロール血症と決まるわけではありません。
これまでの検査結果、ご家族の病歴、身体所見などを確認し、必要に応じて詳しい評価や専門医療機関への紹介を検討します。
脂質異常症の治療は、全員が同じ食事をして、同じ薬を飲むものではありません。どの脂質が変化しているのか、ほかの病気やリスクがあるかによって、見直すポイントや治療目標が異なります。
食事の見直し
一つの食品を一律に禁止するのではなく、現在高くなっている脂質の種類と、普段の食事内容を確認します。
肉の脂身、バター、生クリームなどに多い飽和脂肪酸や、食事全体のバランスを確認します。
飲酒、甘い飲み物や菓子類、食事量、体重、血糖の状態などを確認します。
中性脂肪、運動量、喫煙、体重などを合わせて確認します。
大切なのは、卵や肉など、一つの食品だけを悪者にすることではありません。今の食事の中から、変えると効果につながりやすい部分を見つけることです。
運動と体重管理
運動不足や内臓脂肪が関係している場合は、現在の体力や生活に合わせて活動量を考えます。最初から毎日長時間の運動をする必要はありません。
いつもより少し長く歩く
座っている時間を減らす
買い物や移動の中で歩く
無理のない範囲で筋力運動を取り入れる
禁煙・飲酒の見直し
喫煙は脂質の数値だけでなく、動脈硬化全体のリスクに関係します。また、中性脂肪が高い方では、飲酒量を見直すことで改善につながる場合があります。
急にすべてを変えるのではなく、実行できる方法を考えます。
薬による治療
現在の数値、年齢、体質、心臓や脳の病歴、糖尿病、高血圧、喫煙、腎機能などを踏まえ、薬による治療が将来のリスクを減らすと考えられる場合に検討します。
薬を使用することは、生活改善の失敗を意味するものではありません。
体質によっては、生活を整えても十分に数値が下がらないことがあります。また、すでに心臓や脳の病気がある方や、複数のリスクが重なっている方では、生活の見直しと薬による治療を並行して行うことがあります。
治療を始めた後も確認します
薬を始めた後は、数値が下がったかだけではなく、次のことを確認します。
体調に変化がないか
筋肉痛など気になる症状がないか
必要に応じて肝機能などに変化がないか
現在の治療を続けることが適切か
気になる症状がある場合は、自己判断で中止せずご相談ください。
薬を使うか、使わないかだけではなく、
なぜその治療が必要なのかをお伝えします。
「何を聞かれるのだろう」「その日に薬を出されるのだろうか」と不安な方もいらっしゃると思います。初診では、現在の状態を一つずつ整理します。
これまでの病気、現在使用している薬、生活の状況などを確認します。
どの数値を指摘されたのか、過去からどのように変化しているのかを確認します。血圧、血糖、喫煙、ご家族の病歴、心臓や脳の病気の有無なども伺います。
必要に応じて、脂質、血糖、肝機能、腎機能、甲状腺機能などを確認します。
すべての方に同じ検査を行うわけではありません。
生活の見直しで経過を見るのか、薬を検討するのか、目標値や次回の確認時期などをご説明します。
分からないことや不安なことがあれば、お話しください。
お持ちいただきたいもの
マイナ保険証など、受診に必要なもの
健診結果
過去の血液検査結果
お薬手帳、または現在使用している薬が分かるもの
家庭血圧を測っている方はその記録
ご家族の病歴について分かる範囲の情報
すべてそろっていなくても受診できます
健診結果だけでもご相談いただけます
健診では、コレステロールだけでなく、血圧、血糖値、尿酸値、体重などを一緒に指摘されることがあります。生活習慣病は、一つずつ切り離すのではなく、重なりを含めて確認することが大切です。
コレステロールや中性脂肪を指摘されたからといって、全員が同じ治療になるわけではありません。
このまま経過を見てもよいのか。
生活をどこから見直せばよいのか。
薬も考えた方がよいのか。
その判断を、ご自身だけで抱え続けなくて大丈夫です。健診結果をお持ちいただければ、現在の状態と、次に必要なことを一緒に整理します。
健診結果だけでもご相談いただけます
糖尿病がない方も受診できます
受診した日に、必ず薬を始めるわけではありません
医療情報について
監修:院長 森山純江
最終更新:2026年8月
主な参考資料
日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」/日本動脈硬化学会 家族性高コレステロール血症診療ガイドライン/厚生労働省 健康日本21アクション支援システム